格安調査に潜む罠

「えっ、こんなに安く調査してくれるの?」

初めて探偵に依頼を検討する方が、ネットで調べたり、実際に探偵社に見積もりを出してもらった時に最初に驚くのはその“価格差”かもしれません。

中には、そんなに安くやってくれるの!?と感じる「格安調査プラン」も存在します。

しかし――その「安さ」には、理由があります。

浮気調査や素行調査など、あなたの人生に大きく関わる重大な問題を扱う探偵業務。価格だけで選んでしまったことで、「調査がずさんだった」「報告が曖昧だった」「結局、証拠が取れなかった」といった声は、私のもとに多く届いています。

以前のブログ、「調査料金のアレコレ」シリーズでご紹介した形とは少しテイストが違う、「格安調査」に潜む実態をご紹介します。

なぜ安く調査ができるのか

「他社の半額以下で調査できます!」

そんな謳い文句を見てある探偵社に相談した相談者は、格安調査を依頼しました。ところが、報告書には写真が数枚と、曖昧な行動記録しか残されていませんでした。問い合せても「調査は実施済み」の一点張り。弁護士事務所に相談しても結局、証拠としては微妙と言われ、再度別の探偵社に依頼し直す羽目に――。

なぜ、こういった事態が起こるのか?

それは「安さの裏側」に、いくつか“削った部分”が隠れているからです。

様々な要素を”削る”ことで実現する「格安調査」

■ 調査員がアルバイトや未経験者

人件費を削減するために、調査員として学生アルバイトや経験の浅い人材を現場に出すケースが少なくありません。尾行や張り込みはスキルが求められるため、未熟なアルバイト調査員では対象を見失ったり、証拠写真が撮れなかったりすることが多発します。

以前の記事でもご紹介している通り、調査中にはいろいろな出来事やトラブルが多くあります。その様々な状況に対応するためには、調査員の人数や調査員の質が絶対的に必要となりますし、必然的に人件費もかかります。

そこを”削る”ことで格安調査を実現しています。

■ 調査時間が極端に短い

「1日調査〇時間〇円〜」という表記に惹かれて依頼しても、実際には“対象者が現れるまでの待機時間”などの「追尾以外の時間」がどうしてもかかってきます。

というのも、「1日調査〇時間〇円〜」の調査時間について、「調査員対象者のことを追尾している時間」「調査対象者と浮気相手が接触している時間」としか考えていない方が非常に多いです。

追尾している時間や、浮気相手と接触している時間以外にも調査には時間が必要になります。その”時間”を考えずに契約してしまうと、結果的に、証拠を押さえるチャンスすら得られないまま終了してしまうことも。

■ 車両の準備

調査では、徒歩での追尾以外にも車両やバイクを使って追尾するケースも存在します。

調査対象者は絶対に徒歩での移動、電車やバスなどの交通機関しか使わない!と聞いていても車両やバイクは必ず用意します。調査中になにがあっても可能な限り対応できるようにするためです。

しかし、格安調査では車両やバイクにかかる経費を”削る”ことでその分、安くなっています。

「調査対象者が車に乗って――絶対に徒歩と聞いていたので契約通り車両も準備していなかった、追尾できませんでした」

この報告で納得できるのなら・・

尚、調査に車両を使う場合、ガソリン代や高速道路の利用料金以外に「車両使用代」として料金がかかると言われたりするケースもあります。そういった調査プランは料金システムが複雑になっているパターンが多くあり、結果、高額請求に繋がるケースも散見されます。

■ サポート体制が整っていない

探偵社にとって調査後の報告や、証拠の活用方法についてのアドバイス、弁護士事務所の紹介や精神的なケアが必要な方にはカウンセラーの紹介も調査と同等に重要です。

しかし、格安調査の中には「調査して終わり」のところも少なくありません。

報告書として成り立たないレベルの報告書であったり、アフターフォローには料金がかかると言われることも。

探偵社にとっての「商品」は”調査結果”であり、それをまとめた”報告書”です。

そこを”削る”と調査料金は安くはなりますね・・ 

「安物買いの銭失い」とはよく言ったもので、こうした”削る”リスクを踏まえると「安さ」だけを理由に探偵社を選ぶことがいかに危険かが分かるはず。

「お金」が非常に大切なのは分かります。料金を抑えて証拠がとれるに越したことはないのですが、「安い」だけを理由に調査を依頼して結局、大切な「お金」をより多く失った話は多く耳にしています。これから調査を検討している方には「安い」には「安い」理由があることを頭の片隅に留めておいていただきたいです。

今回は以上となります。
ご拝読ありがとうございました。

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探偵M
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